食生活と身体の退化
教育関係者の方へ
第28章 「教育による社会改革」より
私たちに最も必要なのは、可能な限りあらゆる手段を使って人々を教育することである。しかし、私たちは誰に何を教えればよいのだろうか。幸いにも、既に光明を与えてくれる事例がある。それは、初等教育、中等教育段階の生徒たちが、予防という観念をはっきりと、また自然な形で学べるということが分かったことである。要約
人々には、「十全な生活とは母なる大地に従って生きることである(Life in its fullness is Mother Nature obeyed)」ということを知ってもらうことである。
A.ルーク嬢による自身の経験の記録
小・中・高校、成人教育、教員養成の各段階で、栄養の問題に関して次の3点を採用している。
- 食生活と身体の退化
- 欠陥食品による不適当な食事
- 現在ある食品からの適切な栄養摂取
そして、「食生活と身体の退化」をベースにした教育を受けた生徒たちの作文を紹介している。
9歳の少年の作文
「僕はアメリカでの砂糖の使われ方ならばまず大丈夫だということを写真を見て知りました。
そのわけは、アメリカの人々がハチミツやかえでのシロップなんかを、白砂糖のかわりに次第に多く使うようになってきたからです。
これは人々の健康を良くし、歯が悪くならないようにするのにずいぶん役に立つと思います。私は、茶色の小麦粉には30匹も虫がいたのに、白い小麦粉には1匹もいないのに気がつきました。
だから私は、小さな虫たちが人間よりかしこくて、栄養のある全粒小麦の方へは行っても栄養のない白い小麦粉には触れもしないことがわかりました。
それにはビタミンもミネラルもないのですから。
もし自分たちが大きくなって結婚するときに体が丈夫でありたいと思えば、今から正しい食事をするにはどうしたらよいか知らなければならないということを写真を見て勉強しました。
正しい食事をすれば良い体になって丈夫になるし、結婚して子供ができてもその子も聡明で健康になると思うのです。」
16歳の女子高生
「健全な精神には健全な身体が必要不可欠である。健康な身体は正しい食事によって造られる。
それは十分なビタミンとミネラルを摂らねばならないということである。
人は自分の両親が健康であれば,その人自身も健康で幸福になる可能性も犬きいと言える。
卵細胞も精細胞も最良のものであれば、立派な身体になるに違いない。
幾つかの理由から、子供と子供の生まれる間隔は開いていなければならない。
つまり母親はビタミンや基本的な必要物を子供にたくさん与えなくてはならないので、自身の身体を回復するには数年の日数が必要だからである。
末子は兄弟の中でも一番弱いことが多い。
なぜなら、母親は長子に自分の最良のものを与えてしまうからである。
だから母親は子供を多く産めばその身体から大切な要素が抜けていく。
親はどちらも受胎する前には良い食事を摂るべきだ。
健康な卵子は、病人や体力を消耗した人から生まれてくることはない。
健康な卵子であってこそ、健康な子供が生まれるわけだ。
良い食事をすれば素晴らしい健康が得られることは確かなことであろう。
プライス博士の考えによれば、犯罪者ができるのはその親のせいである。
犯罪者は両親がちゃんとしたものを食べていないとか、他に何か欠陥がある場合に生まれてくる。
そうした親を教育すれば、犯罪者も一掃されることだろう。
彼が教えていることは、それを心がけようとしている人には誰でも応用することができるものだ。
私たちも将来、人の親になるのだから、プライス博士の考えを認め、考慮してみなければならない。
彼は正しいことを言っていると思う。
普通に考えれば、先生の言っていることが正しいと分る。」